労働問題・労務相談

2026/07/08 労働問題・労務相談

葬儀会社でクレームが発生したらどうする?|会社の信用を守る初動対応

ご遺族対応では「正しい対応」と「納得していただく対応」は必ずしも同じではありません

葬儀会社を経営していると、クレームを完全になくすことは難しいかもしれません。

葬儀は、ご遺族が大切な方を亡くされた直後という精神的にも非常に不安定な状況で行われます。

普段であれば気にならないような一言や小さな行き違いでも、大きな不満につながることがあります。

一方で、すべてのクレームが会社側に原因があるわけでもありません。

近年では、理不尽な要求や過度な謝罪要求、長時間にわたる電話対応など、いわゆるカスタマーハラスメントのご相談も増えています。

葬儀業界では、「故人やご遺族への配慮」という文化があるからこそ、現場の社員が我慢しすぎてしまうことも少なくありません。

しかし、社員を守ることも会社の重要な役割です。

法律上正しくても、会社の信用を失うことがあります

企業法務では、「会社に法的責任があるか」という視点で考えることが多くあります。

もちろん、それは重要です。

しかし、葬儀業界では、それだけでは十分ではありません。

例えば、契約内容や法律上は会社に責任がないケースであっても、ご遺族が強い不満を抱えたまま終われば、口コミサイトやSNSへ投稿される可能性があります。

一件の口コミが会社全体の信用へ影響することも珍しくありません。

だからといって、すべて要求どおり対応すればよいというわけでもありません。

過度な要求へ応じ続ければ、今度は現場の社員が疲弊し、離職につながることもあります。

重要なのは、「法的に正しい対応」と「会社として適切な対応」の両方を考えることです。

初期対応が、その後を大きく左右します

実際にトラブルとなった場合、最も重要なのは初期対応です。

担当者だけで抱え込まないこと。

やり取りを記録すること。

事実関係を整理すること。

必要に応じて会社として窓口を一本化すること。

こうした対応を早い段階で行うことで、問題が大きくなることを防げるケースも少なくありません。

反対に、場当たり的な対応や担当者任せの対応を続けると、話が複雑になり、収拾がつかなくなることがあります。

葬儀業界では「信用」を守る企業法務が重要です

葬儀会社にとって最も重要な資産は、設備でも建物でもありません。

地域で築いてきた信用です。

その信用を守るためには、トラブルが起きてから対応するだけではなく、日頃からクレーム対応のルールを整備し、社員が安心して対応できる体制を作ることが重要です。

当事務所では、葬儀会社・葬祭業者の企業法務として、カスタマーハラスメントへの対応、問題社員への対応、契約書の整備、労務問題など、企業側の立場から継続的なサポートを行っています。

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© 弁護士 下田和宏(横浜パートナー法律事務所所属)