2025/06/24 労働問題・労務相談
医療法人勤務の臨床検査技師、夜勤・残業代の未払いを主張し約320万円で和解(退職後の訴訟にて)
■ ご相談内容
相談者は、医療法人が運営する総合病院で臨床検査技師として勤務していた20代男性です。夜勤や休日勤務が日常的にありながら、割増賃金が正しく支払われていないと感じ、退職後に当事務所にご相談いただきました。
■ 弁護士の対応
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勤務実態や給与明細を精査した結果、未払いの時間外・休日・深夜手当が多数あることが判明。
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被告(医療法人)は、「変形労働時間制を採用しているため時間外ではない」「夜勤手当を支給しているので追加の残業代は不要」と主張。
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しかし実際には、就業規則に基づかない独自のシフト運用がされており、制度の形式は整っていても実態が伴っていないことを主張。
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夜勤手当についても、割増賃金分と通常勤務分の区別がなく、固定残業代としての有効性を欠く点を指摘しました。
■ 解決結果
裁判所への訴訟提起後、当方の主張を前提とした協議が進み、約320万円の解決金による和解が成立しました。
■ 解決のポイント
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運用実態と異なる変形労働時間制の無効主張
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夜勤手当が割増賃金の支払代替にならない点を立証
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具体的な勤務記録と丁寧な主張が和解につながった
■ 相談者の声(弁護士ドットコムより)
「直接お会いすることはできませんでしたが、メールでのやり取りでも丁寧に対応していただき、不安なく進めることができました。印象も大きく変わり、お願いして本当に良かったと思っています。」
👤 担当弁護士のコメント

弁護士 下田 和宏
医療・介護現場では「夜勤手当が出ているから残業代は不要」といった誤った対応が散見されます。
この事例では、制度上の整備だけでなく運用実態とのズレに着目することで、正当な未払賃金の請求が認められました。
退職後でも請求できるケースは多くあります。記録が手元にある方は、ぜひご相談ください。
📩 夜勤手当や残業代の未払いにお悩みの方へ
病院・介護施設・福祉現場では、勤務形態が複雑になりがちな一方で、労働時間の管理や賃金精算が曖昧になっている職場も少なくありません。
「夜勤手当しか出ていない」「シフトがバラバラで残業代が出ない」と感じたら、まずは一度ご相談ください。