2025/05/09 時事・雑感コラム
芸能人の不倫で違約金◯億円!?──その報道、本当に正しいのか?
芸能人の不倫騒動があるたびに、ネットやテレビで「CM違約金は◯億円か!?」なんて記事を目にすること、ありますよね。
最近も某人気女優と俳優の報道が出たばかり。たしかにセンセーショナルで目を引く話題ですが、法律や契約の実務を知っている立場から見ると、ちょっと違和感があるんです。
本当にそんな巨額の違約金、払っているのでしょうか。
その裏側を、弁護士の視点からわかりやすく解説します。契約実務の現場から見ると、報道の数字にはかなり誇張が含まれている可能性があります。
違約金って本当に◯億円もあるの?
まず冷静に考えてみましょう。CM出演やドラマ出演の契約って、そんなに簡単に何億円もの違約金を払うような内容になってると思いますか?
実際は契約書なんて公開されていないし、「関係者によると」みたいなあいまいな情報で金額だけがひとり歩きしているケースがほとんどです。もし本当に何億円も損害が出ていれば、スポンサー企業は裁判を起こして回収するはず。でも、そういう話ってほとんど聞きませんよね。
民法上の「違約金」とは?弁護士がポイント解説
民法420条では、違約金は「契約であらかじめ取り決めた場合」にだけ有効です。しかも、その金額が実際の損害とかけ離れている場合には、無効や減額が問題になる余地もあります。
たとえば、「不倫したら3億円払う」なんて条項があったら、さすがに常識的に見てアウトですよね。事務所やスポンサーも弁護士がついて契約してるので、そんな極端な条項は現実的ではありません。
芸能人と企業の契約でよくある対応とは?
実際のCM契約などでは、こんな内容が一般的です。
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スキャンダル時の解除条項
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出演料の返還条項
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撮影費・差し替え費用などの実費負担
つまり、「違約金」というよりも「実費補填」。スポンサー側もすべてのリスクを背負うのではなく、リスク分散や保険で備えているのが普通です。
なぜ「違約金◯億円」と報じられるのか?
これはもう、数字が派手な方が目立つからに尽きます。マスコミは「最大で◯億円の可能性」みたいな表現を使って注目を集めたいわけです。
でも実際には、
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事務所とスポンサー間で水面下の話し合い
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一部返還や条件付き示談
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支払いがあっても数年にわたる分割
といった形で、報道された金額通りになることはほとんどありません。
まとめ:違約金◯億円のウワサ、信じすぎないで
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違約金何億円なんて、実際にはめったにない
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契約内容も裁判記録も出てないのに、金額だけ信じるのは危険
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実際のところは、契約解除や返金、示談で済むケースが大半です
法的なリスクを減らすには?契約書のチェックが大切です!
芸能人やインフルエンサーと契約する場合、企業としても「炎上リスク」や「契約解除リスク」に備えておくことが重要です。
当事務所では、CM契約や起用リスクに関する契約書のリーガルチェック、炎上時の対応相談も承っています。お気軽にご相談ください。
当事務所では、以下のようなご相談を承っております。
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モラル条項の設計
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解除権の発動要件の整理
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違約金条項と損害賠償条項の整合性チェック など
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【筆者プロフィール】

弁護士 下田 和宏(神奈川県弁護士会所属)
神奈川県横浜市中区の法律事務所を拠点に、労務問題、自己破産、顧問契約など、
日常に潜むトラブルの法的サポートに注力しています。