自己破産・債務整理

2025/12/10 自己破産・債務整理

【解決事例】法人破産と代表者個人の破産を同時に進め、自宅の任意売却で再出発を確保したケース

法人負債3,200万円、個人連帯保証・複数借入、自宅に1番・2番抵当。
任意売却と財務整理を同時並行で進め、法人・個人ともに破産手続が円滑に終結(卸売業/横浜市)

【相談内容】

2007年に商品企画・開発・卸売業として法人を設立し、長く堅実に事業を続けてこられたものの、2015年の大口取引先の条件変更を契機に売上が急落しました。

その後も、
・保証協会付きの借入
・事業転換の試行
・コロナ融資への切替
・中小企業診断士を交えた再生計画
など、可能な限りの再建策を講じられましたが、原価高騰・取引先遅延・BtoC販売の競争激化が重なり、資金繰りは限界に達しました。

法人の負債は約3,200万円、代表者個人にも連帯保証債務や生活費捻出のための借入が積み重なり、法人・個人双方の破産を検討する状況となりました。

さらに、代表者個人の自宅には
・1番抵当=住宅ローン
・2番抵当=事業借入
が設定されており、住まいの扱いも大きな課題でした。

【当事務所の対応】

本件の鍵は、破産申立よりも先に「自宅の出口設計」を明確にすることでした。

まず、
・1番抵当権者(住宅ローン会社)
・2番抵当権者(事業借入の金融機関)
と個別に交渉し、任意売却後の配分案を提示。

最終的に、
・売却代金の大半は抵当権者に充当される
・ただし、引越し費用・初期費用分は確保する
という条件で調整がまとまり、任意売却が成立しました。

これにより、破産後の生活基盤を事前に確保できたことが非常に大きな意味を持ちました。

その後、法人と個人の破産を同時に申立て、管財人との協力体制も円滑に進みました。
事業経緯や借入の背景を丁寧に説明したことで、特に問題なく手続が進行しました。

【結果】

・法人:異時廃止
・個人:異時廃止+免責許可

法人・個人ともに無事手続が終了し、新たな生活へ向けて再出発できる状態となりました。

【解決のポイント】

・破産前に任意売却の交渉と配分調整を完了させた点
・法人・個人の財務状況を一体で設計し、複線的な問題を一本化して処理できた点
・再建努力の経緯を適切に整理し、手続全体がスムーズに進んだ点
・引越し費用など「破産後の生活資金」を事前に確保できた点

【同様のお悩みをお持ちの方へ】

法人の資金繰りが逼迫し、代表者個人の連帯保証や生活費の借入が増えてくると、どこから整理すべきか分からなくなるものです。
破産は「終わり」ではなく、「再出発のための選択」であり、正しい手順を踏めば生活の立て直しは十分可能です。

早い段階で専門家に相談することで、任意売却・破産・再建など複数の選択肢が開けます。
一人で抱え込まず、ご相談いただければ状況に応じた最適な出口をご提案いたします。

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© 弁護士 下田和宏(横浜パートナー法律事務所所属)