2026/01/16 顧問・企業法務
「有名サービスに似ていると違法?」Webサービス運営者が誤解しがちな法的ラインを整理します
新しくWebサービスを始めた方から、よくこんな相談を受けます。
「このサービス、ちょっと有名な◯◯に似ている気がするけど、大丈夫でしょうか」
「“◯◯風”と説明しているけど、問題になりますか」
結論から言うと、
“似ている”という理由だけで、すぐに違法になるケースは多くありません。
ただし、気をつけるべきポイントがないわけではありません。
今回は、実務上よく問題になるラインを、できるだけ噛み砕いて整理します。
アイデアが似ているだけでは、基本的に問題にならない
まず大前提として、
法律は「アイデア」そのものを保護していません。
たとえば、
・参加型の仕組み
・クイズ形式
・ランキング表示
・制限時間がある演出
こうした仕組み自体は、誰でも自由に使えます。
「有名な番組やサービスと発想が近い」
「雰囲気が似ている気がする」
というだけで、著作権侵害になることは通常ありません。
問題になるのは「表現」と「見せ方」
一方で、注意が必要なのはここです。
・画面構成やUIが、見た瞬間に同じと感じる
・色使い、配置、演出が極端に寄っている
・説明文や演出文言が、特定のサービスを強く連想させる
このように、
具体的な“表現”レベルで似せすぎている場合は、リスクが出てきます。
また、もう一つ重要なのが「売り方」です。
・有名サービス名を前面に出して説明している
・公式や提携サービスのように誤解されかねない表現をしている
こうした場合、
「誤認させる表示ではないか」という観点で問題になることがあります。
「◯◯風」という表現はアウトなのか?
「◯◯風」「◯◯みたいな体験」という言い方についても、
それだけで直ちに違法になるわけではありません。
ただし、
・キャッチコピーやLPの中心で使っている
・サービスの価値を“有名サービスありき”で説明している
この状態だと、
将来的に規模が大きくなったとき、指摘を受ける余地が出てきます。
実務上は、
・独自の特徴を主軸に説明する
・比較表現は補足的な位置づけにする
この程度の調整で、リスクはかなり下がります。
仮に指摘されたらどうなるのか
「もし問題にされたら、すぐ訴えられるのでは?」
と心配される方もいますが、実際には、
・まずは使用中止や表現修正の要請
・それに対応して修正
・そこで終了
というケースがほとんどです。
小規模なWebサービスに対して、
いきなり裁判になることは多くありません。
重要なのは、
指摘を受けた場合に、すぐ修正できる状態を作っておくことです。
まとめ:過度に怖がる必要はありません
「似ている気がする」という理由だけで、
サービスを止めたり、大きく作り直したりする必要は通常ありません。
一方で、
・表現を寄せすぎていないか
・有名サービス名に依存した売り方になっていないか
この2点を一度整理しておくと、安心して運営を続けられます。
自社サービスの法的リスクが気になる場合、
「全部ダメかどうか」ではなく、
どこを触れば安全側に寄るのかを整理することが大切です。
気になる方は、早めに一度ご相談ください。