2025/10/08 自己破産・債務整理
学習塾の倒産が過去最多ペース——経営者が今すぐ確認すべき法的リスクと対応策
1.2025年、学習塾の倒産が急増
帝国データバンクの調査によると、2025年1〜9月の学習塾の倒産件数は37件にのぼり、年間では過去最多ペースで推移しています。
負債総額はおよそ100億円に達し、地域密着型の個人塾から、大手チェーン塾まで幅広く影響が出ています。
倒産理由としては、
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少子化による生徒数の減少
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人件費・家賃などの固定費上昇
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オンライン塾など新興勢力との競合激化
といった構造的な要因が指摘されています。
出典:帝国データバンク/Yahoo!ニュース(2025年10月)
2.倒産前に表面化しやすい“法務リスク”
学習塾の場合、倒産直前にトラブル化しやすいのが以下の3点です。
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保護者からの前払金返還請求(授業料・教材費など)
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教室の賃貸契約・保証金精算・原状回復費
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講師・アルバイトへの未払い給与・報酬請求
これらを整理しないまま破産を迎えると、管財人・債権者との交渉が長期化し、代表者個人にも責任が及ぶことがあります。
3.法的に注意すべきポイント
(1)前払金返還義務(特定商取引法・消費者契約法)
授業料や教材費を前払いで受け取っている場合、実施されていない分は返還義務が生じます。
契約書に「返金しない」と書かれていても、消費者契約法によって無効になることが多いため注意が必要です。
(2)講師・職員との雇用トラブル
社員・講師への未払い給与は、労基法上の優先債権として管財人からも厳しく確認されます。
特に業務委託講師(フリー講師)については、雇用か請負かの判断が争点になりやすく、整理が重要です。
(3)賃貸契約と保証金の問題
退去時の原状回復や保証金返還を巡るトラブルも多く、契約解除時期の調整や明渡しのタイミングは弁護士が関与した方が安全です。
4.代表者個人にも責任が及ぶケース
学習塾経営者の多くは、
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教室設備のリース契約
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銀行融資・補助金
に代表者個人が連帯保証をしています。
そのため、法人が破産しても代表者個人の保証債務が残るケースがほとんどです。
この場合、法人と個人を同時に破産申立てするのが一般的で、弁護士が一括で整理します。
5.実際に増えている相談例
最近は、次のようなご相談が増えています。
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「返金請求が相次ぎ、運転資金が尽きそう」
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「家賃と人件費が払えず、閉鎖を検討している」
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「代表者個人の保証があり、破産に踏み切れない」
いずれも、早期に弁護士が関与することで被害を最小化できるケースです。
倒産手続きの前に整理しておくことで、
・保護者への説明
・講師への支払い調整
・管財人との引継ぎ
をスムーズに進められます。
6.当事務所の対応方針
当事務所では、教育業界・スクール運営会社の法務サポートを多数行っており、
法人破産・個人破産・事業再生まで幅広く対応しています。
法人破産申立費用:150〜200万円(税込)目安
代表者個人破産:50〜80万円(税込)目安
※グループ会社・複数教室の同時申立も対応可能
初回相談は無料です。
財務状況のヒアリングから、破産・再生・任意整理のいずれが最適かを一緒に検討します。
7.まとめ
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学習塾の倒産は2025年、過去最多ペース
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前払金・保証金・講師報酬の整理が最大の課題
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破産前に法的対応を始めることで再起への道が開ける
【法人破産・事業再生をご検討中の方へ】
当事務所では、初回無料相談のほか、
3ヶ月55,000円(税込)の仮顧問契約もご案内しています。
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顧客対応文書や通知書の作成サポート
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管財人対応・債権整理に向けた初期支援
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「誰に何をどう伝えるか」までを含めた実務的整理